おれ的わたし的2012ベスト | ||
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1. Actress / R.I.P UKのキテレツビート信奉者3作目。偏執的な音響設計が光るドープなサウンドスケープ。 イヤホンで聴く3.Holy Waterはまるで外耳のマッサージ。疲れた時にActress。 ジャケットから察するに、Aphex Twin / Selected Ambient Works 85-92のオマージュでしょーか? 今後語る次がれる稀代の名盤!の予感、します。 2. Gabi Delgado / Mistress EBMの始祖D.A.F解散後初ソロ作、1983年作ながら初CD化。 ニューウェーブに寄りかかりながらも、ブラックな要素まで汲み取ってブルーボーイなエロ全開。 レジで現金を持ち合わせておらず泣く泣く断念をするも、ポイントカードの底力で購入成功。 蒐集家狙いの再発盤、値段は勉強してくださいよ(6曲入?940)。 3. Levon Vincent / Fabric 63 “ニューヨーク”で“ハウス”…華やか〜でパンピンなイメージですが、最早それも昔の話。 NY地下ではインダストリアルめいたダークハウスが着実にプロップスを得てきているようです。その中心にいるのがLevon Vincent。 本作は寡作なLevonの初メジャー作。深い!暗い!な選曲と、緻密で確かなミックステクで、非妥協的なダンスを強制。決してポップでないところがミソでした。 4. ザ・スクーターズ / 女は何度も勝負する Flaming Lips / Race For The Prizeから拝借したと思しきメロに、ヘタウマでソウルフルな女性ボーカルが絶妙に配された曲(後に8.Rememberと知る)を 偶然某レコード店BGMで聴き、即購入。 30年振りの新作、らしいですが全く衰えを感じさせないエネルギー!アップビートで多幸感MAXな3.神様お願いがcool。 5. My Bloody Valentine / ep's 1988 -1991 Lovelessから20年、遂に解禁されたマイブラリマスター…!。 中古レコード屋で、必ず面出し陳列される高価なマイブラレアシングル。 それら全てをリマスターした後コンパイルした本作は1番売れるべき、というか聴くべきであると勝手に思っています。 マイブラにとってのシングルは、『ノイズでどれだけポップに近づけるか』を目指す為の実験場だったんだなーと感じる作品でした。 6. DJ Nature / Return Of The Savage ブリストルのBassチーム、The Wild BunchのオリジナルクルーDJ Miloの別名義でのフルアルバム。 鳩尾ドスンなボム届きました。極太ボトムにジャジーなサンプル、計算づくのロウサウンド、帯に書くなら「深過ぎ注意!」。 以上、一聴目の感想でした。全曲DJユースな曲構成もナイス。来年もヘビロテ確定です。 7. Willis Earl Beal / Acousmatic Sorcery 元軍人で元ホームレスの黒人版トム・ウェイツ志望のシカゴ出身ニューカマーによるデビュー作。 肩書きよろしく音割れ上等、チープでロウファイな録音スタイル。しかしその音には無頓着そうな感じはもはや貴重ではないでしょうか。 もっと作品聴きたいよ!不思議と応援したくなる!久しぶりにそう思えたアーティスト。 8. Dr.John / Locked Down 30枚近く発表しているそうですが、今作で初めて聴きました。古き良きヴィンテージなロックを中心に、守破離を地でいくJohnおじいちゃん。 この周辺の音は無条件に体、動いちゃいますね。9.My Children, My Angelsは完全にPink Floydの姿勢。 9. okadada / When The Night Falls Down ぬるいシンセ一辺倒に偏りがちな近年のNu Discoシーンに一喝、投げ銭制DLアルバム。(僕は10ドルで購入) UKビートメイカーLoneの近作をグッとピッチダウンさせたような、もしくは和製Duff Discoとも言えるバレアリックなサウンドは世界でも確実に通用する筈。 少し高音域が強い印象を受けるので、東洋化成と契約してアナログレコードになってよ! 10. 永田一直 / 永田一直の世界 DJ MIXシリーズ Vol.13 〜和ラダイスガラージ編〜 2012年を振り返ると、「ある点で特化していること」が流行のポイントだったように感じます。 なんでもできるUS型多機能設計ではなく、独式ミニマリズムが一般に浸透した証拠か? 邦楽レコード(通称“和モノ”)しかプレイされないパーティー、『和ラダイスガラージ』が爆発的に知名度を上げたのも当年。 その空気を密封したコレのお陰で和モノ、掘るようになりました。 |
■2012年にリリースされた音楽で、良かったものベスト10(シングル編)
1. Todd Terje / It's The Arp
第一印象から決めていました、2012年のベストです。1月リリースながら何度もリプレスされた、北欧のリエディット魔人Todd
Terjeの初セルフレーベル作。
シンプルな構成と、絢爛たるシンセワーク一本でピークまで持ち上げるA1. Inspector
Norseに頭が上がりません。ブラボー・ノルウェイ!
2. Scuba / NE1BUTU
ド・シ・レ、鍵盤3つでぶっ込むベース通過後のヒップなブレイクス。無理矢理ベルリンコンクリートテクノにした、B面のセルフリミックスも半笑いで聴きましょう。
何はともあれビデオの勝利。(http://www.youtube.com/watch?v=EaGdNuh2JUw)
3. Dump / NYC Tonight
レイドバックな方向へ突き進む坂本慎太郎のZeloneレーベルから。
ディスコの名門、SAMレーベルを意識したアートワークがとってもナイス。実はGG
Allinのカバーなんですね、原曲を聴いて腰抜かしました。
(http://www.youtube.com/watch?v=71-zBtT6BOM)
4. Trackman Lafonte & Bonquiqui / Pacific House
ニューヨークの新興レーベルL.I.E.S.から、筋金入りのアナログ機材オタクLegoweltと、超美麗シンセサイザーレディXosarのコンビ名義傑作。
マイナーコードでビッキビキに潜航していくアシッドドライブ。確信犯的にロウファイで、網戸越しの様な鳴りがGood。
5. SH2000 / Good News
€圏ディープ新星Vakulaノリが受け入れられたか、EU発マイナー路線ハウスのレコードがよく見られるようになりました。
ロシアの豪傑Anton Zapのレーベルから。アシッドベースがいわゆるシカゴ的な使い方でないところに好感が持てます。10inchというところも渋い。
6. Tom Noble / Dancing Hard
2010年にリリースしたP&Pレーベル直系ブギーファンクな原曲を、よりファンキーに自分でアップデートしたB面、インディーダンス経由の耳でもイケます。
スタンプ盤は怪しければ怪しい程チェックしてしまいますね、コレはそんなに怪しくないですが。
7. Shackleton / Drawbar Organ EP Pt.2
同時リリースのMusic For The Quiet Hourは完全に魔球でしたが、こちらはド直球Shackleton。
Pt.1から3の内、最も呪い殺されそうなのがこのPt.2。Woe To The Septic Heart!レーベルのアートワークはもはや呪術の供物。半分ギャグなんじゃないか?
8. V.A / Selected Werks Vol1
12インチ2枚組コンピという扱いにして、コチラのカテゴリへ。
古くはKraftwerkにドラムマシンを提供していたというアーティストのレア音源編集盤。後世のアーティストのルーツを垣間見ている気分に浸れます。
不思議エレポップ佳曲が並ぶ中に、異彩を放つ宇宙カリプソなC2.We Found It
Outは星出さん、必聴ですよ。
9. Magnetic Soul / The Shakedown EP
全3曲共に黒汁ブギー全開、黒い三連星を彷彿とさせるDJユースな一枚。
Syreeta Wright / Can't Shake Your Loveをスクリュー後、メロウなビートダウンにおっ被せたB1.Shake
Your Loveが気に入ってます。
10. Takuya Matsumoto / Drafting Under The Stars
ホワイトTheo ParrishことFloating Pointsがよくプレイして?B
シカゴ経由の無骨なキック、よどみないアコーディオン、MJ / Thrillerライクなベース使い、
と字面からは一見散漫な印象があるB2.Jump Rope Musicですが、とにもかくにも“丁寧”でぐうの音も出ません。絶対A型。
2010年リリースなのですが、お世話になっているWebショップUnderground Galleryで2012年リプレスの噂が。即予約。
それから結局半年程待たされましたが、それだけ待つ価値ありデス。
http://www.undergroundgallery.jp/index.php?main_page=product_info&products_id=10823
■2012年にリリースされた音楽で、良かったものベスト10(フリーダウンロード編)
1. Floating Points / Resident Adviser mix 301
トレンドを越えて一般化したフリーDJミックスですが、質の高いものというと大分選りすぐる必要がありますね。
そんな中でも一番聴いたのがコレ。前述のTakuya Matsumoto / Jump Rope Musicも入ってます。
この人、DJ中むちゃくちゃ動くんですよね。そんな躍動感まで伝わる豪快なミックスでした。
(http://www.mixesdb.com/w/2012-03-05_-_Floating_Points_-_Resident_Advisor_(RA.301))
2. Andres / Beats In Space 634
ヒップホップグループSlum VillageのDJにして、レペゼンデトロイトなトラックメイカーAndresがBeats
In Spaceに登場。
神業級のスクラッチが聴けます。ハウスでバリバリコスッちゃうあたり、この人は信用できる。
(http://www.beatsinspace.net/playlists/634)
3. DJ Road Chief / Unsound Beach Mix
去年の作品もスゴかったMark MacguireのDJ名義、DJ Road Chief。
ヒップホップ的、ハウス的なDJミックスではないですが、一曲一曲に注がれる猛烈な愛情を感じます。
(http://www.self-titledmag.com/2012/04/17/needle-exchange-097-an-exclusive-mix-by-mark-mcguire/)
4. Moodymann / Picture This
突如としてアナウンスされたMoodymannの作品集。
なんとフリー配布という太っ腹っぷり。“mp3”で“Web無料配布”なんて真っ先に嫌がりそうなのに、それでも気を抜かないのが才人の証。
(http://www.scionav.com/collection/947)
5. willie / Walearic 8
都内に4店舗あるレコード店ココナッツディスク。中でもレフトフィールドなレコードが集う江古田店、その店員さんの和モノのみで練り上げるバレアリックDJミックス、“和レアリック”シリーズの第8弾。
聴けるものは全部聴いているんですが、年末に発表されたコレは特にマッシヴ。
百恵ちゃんから炸裂する。ダウンロードしたらCDに焼いて、どこへでも持って行くのがベストです。
(https://soundcloud.com/willieeilliw/walearic-8)
6. Terry The Kid / Walearic 7
“和レアリック”シリーズの第7弾。上記第8弾と比べるとこちらはストレートなミキシング。世間体なぞモノともしない、独自解釈のギッチョな和グルーブの洪水を紡いでます。
9~11の和モノらしからぬ、くつろぎダビーなつなぎが◎。
(https://soundcloud.com/coconutsdisk-ekoda/walearic-7)
7. FACT mix 339 Derrick May
93年録音、燃え尽きる程ヒートな26分。バンゴバンバン〜 ゴーバンゴ〜 バンゴバンバン〜 ゴーバンゴ〜収録。
(http://www.factmag.com/2012/07/23/fact-mix-339-derrick-may/)
8. Meg Myers / Daughter In The Choir EP
ザ・アメリカな高音の冴えがグイグイ来るハイファイなフリーEP。The Weeknd以降を如実に体現してますね、徹頭徹尾流行りの設計。
この手の音に感じがちなマッチョイズムを、女性ボーカルにより中和させるブレンド具合も先見性アリで◎。
(http://meginthedark.com/)
9. James Blake / Live Album
去年のキーパーソンJames Blakeの、各地でのLive音源を掻き集めてコンパイルしたオフィシャルライブ盤。
なんと言ってもDigital Mystikz / Anti-War Dubのカバー。コレを聴く為だけでいいから、さあさあ。
(http://james-blake.tumblr.com/post/17417866602/james-blake-live-album-tracklist-01-unluck)
10. Andy Stott / 20121031 Concerts
今年の新作も光ってました、Andy Stottのライブ音源。
192kbpsのmp3音源ということで音の厚み、ひいては臨場感がないのが残念。それが幸いしたのか、実際に生で聴きたい!と思わせてくれます。
(https://soundcloud.com/selftitledmag/andy-stott-live-moogfest-2012)
■2012年以前にリリースされた作品
1. The Cardigans / First Band On The Moon
New Order来日!それだけのためにSummer Sonic参加です。
そんな期待を裏切り出演してたCardigans。ニーナは素晴らしくご機嫌、やっぱりプレイした7.
Lovefool、年配ファンは大熱狂。
ナイスなライブを思い出したくなってついつい聴いてました。本作は1996年リリースの3作目。
2. George Harrison / All Things Must Pass
近所の中古レコード店の100円セールで、ボロボロの化粧箱ながら盤質はMint極上品のコレを見つけてしまいました。
「この業物を100円だなんて、ありがとうございます!」店員さんとガッシリ握手。
3. Metro Area / Metro Area
末永く愛聴するであろうMetro Area。20年後、ダンスクラシック棚に鎮座している様子が目に浮かびます。
意外にも朝に似合う弾けるスネアの爽快感が好!です。2012年も相変わらずヘビープレイでした。
4. Omar / For Pleasure
D'angeloもやっと復活ですし、今聴くべきはこのUKソウルの良心Omarかと。
UKソウルはUSと比べて、ジャンルレスでクロスオーバーな感じがとて〜も心地良い。土曜の晴れた午前中に映える6.
Outsideが今年の気分。
5. The Field / From Here We Go Sublime
ザ・Kompaktなミニマル職人アクセル・ウィルナー、2007年デビュー作。作品通じてストア派な反復ビートで、トロットロに夢見心地にさせてくれるので現実逃避にはピッタリ。
「コレを聴きたくなる、ということは疲れているということだ!」と思ってましたが、無意識に毎日聴いてました。巡り巡って労働者の音。
6. Trus'me / In The Red
ホントにお前は白人か!クレジットには、Amp Fiddler, Dam-Funk, Paul Randolph,
Pirahnaheadと、蒼々たる面々、恐ろしい程にグルーヴィ。
今年からやたらとベルリンテクノに接近し続ける、Prime Numbersレーベルから出てます。当時の黒〜いテイストに戻ってほしいと切に願っております。
7. 杏 / LIGHTS
妖怪人間ベラ姐さんがJ-POP名曲群をカバーした2010年作。裏ジャケがかわいい。アレンジもナイス。
それ以上でも以下でもないが、再生回数はトップ。理由は不明。
8. Prins Thomas / Cosmanova W
雑踏を踏み込みながら帰宅、トイレで用足していたらいつのまにかコズミック絵巻になっているというワケの分からない衝撃の冒頭。
数多存在するDJの中でも最も尊敬するDJプリンストーマスが日本限定で放ったチルアウトミックス。
今年のGWに来日していた彼と、ファーストコンタクト、しっかりコブシを交わすことが出来て嬉しさの極みです…!次はブースでやりたいな。
9. Madvillain / Madvillainy
Madvillionの飛び道具満載のトラック(スト2のSE等)に、MF Doomのラップが飛び込むウェッサイヒプホプ入門盤を、挫けることなくエンドレスエイト。
地元のドライブでよく聴いてた印象。
10. Frank Zappa / Jazz From Hell
暇つぶしの決定版、ブックオフdigで\500で購入。1986年作としてはムタクソに新し過ぎるIDM。
難し過ぎる内容の割に、中毒性さえ忍ばせる不思議世界はザッパ印によるものでしょうか。なによりジャケの潔さがカッコEです。
■ライブ、イベント等々で良かったもの
・taicoclub '12
大勢でワイワイ楽しめたことも手伝って、2012年も素敵なフェスでした。
ベストアクトはTR-101。ぶっ飛んでました。
・summer sonic '12
一番好きなバンドNew Order、最高にクール!
Ceremonyのイントロが流れ出した瞬間は一生忘れない!
2013年は、もっともっと現場へ足を運びたいと思います。
■音楽以外でのベスト10
・ガンダム以外にもアニメを見るようになりました。
・選挙の結果に落胆気味です。
・新しい仕事を始めました。
・プールに通い始めました。
・貯金が無くなってしまいました。
■自己紹介
東京都杉並区在住の20代。
ディスコ大使認定を目指し修行中。
■2012年はどんな年?
個人的に不遇の一年になりそうでしたが、なんとか持ち直して今に至ってます。
新しいことに巡り会うことの多い一年だったように感じます。
過去投稿 2011