おれ的わたし的2011ベスト


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けしー

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2011年にリリースされた音楽で、良かったものベスト10

01 不可思議/wonderboy /ラブリー・ラビリンス
  惜しくもこの最初のアルバムを出した一ヶ月後に事故で亡くなってしまったポエトリーラッパー。
  フリーターとして感じる先の見えない将来や不安、そして自分自身の立っている居場所さえも分からなくなってしまいそうな中で、
  光を探し出すかのような言葉や音楽を作り、懸命に前を向こうとするその姿は、意味がある行為なのか僕には分からなかったけれども
  誰よりも言葉や音楽に賭けてみようとする姿勢には胸が打たれるものがありました。

02 平賀さち枝 /さっちゃん
  このアルバムを聴いて思い浮かべる光景は、古びたアパートの窓から感じる春の風。
  うさん臭い言葉でいえば60年代の若者が感じていただろう古き良き時代なんて言えば
  その光景に分かりやすい色を与えることにになるかもしれない。
  でも時代なんて関係なく貧乏で時間を持て余した若者は、退屈の風の吹かれながら一つ一つの日々の香りを嗅いで暮らしているのだ。
  (変わったことはマクドナルドができたくらいか)

03 tofubeats /スローモーション(ひみつの)
  グローファイ/チルウェイブという音楽ジャンルは享楽的という言葉で表される事が多かったように思う。
  でもこれはどこか虚無的で、半分夢の中のような感覚のほうが近いように感じる。それこそフィッシュマンズの後期の続きを見ているような…。
  しっかりとメロディーはあるのに、秋の雲一つない青空を見ているようなつかみ所のない浮遊感がとても良いです。
   bandcampから購入できます。
  http://tofubeats.bandcamp.com/album/slowmotion-himitsu-no
  またこの感じでの本人による本人楽曲のみのDJ MIXはフリーで。
  http://www.mixcloud.com/tofubeats/mix4me/

04 ASAP ROCKY /LIVELOVEA$AP
  ニューヨーク、 ハーレム出身のラッパー。最初に聴いた時はどこか地味に感じてなぜそこまで騒がれているか分からなかった。
  けれども聴いていくうちにウィッチハウス的な遅めのトラックと絶妙な感じで入るスクリュー的な声があわさったときの威力と魅力に
  ズブズブと取り憑かれていきました。
  そして日本で聴くぶんにはまだまだキャッチーではないかなと思うこういう音楽も、本場ではキッズの音楽なんだなとライブ映像を見て思ったのも
  衝撃の一つでした。 こちらからフリーDL可。
  http://www.livemixtapes.com/mixtapes/15168/asap_rocky_liveloveaap.html

05 Temple Book /門出
  Temple Bookの門出という曲は僕も友人である友人の結婚にささげるために作った曲で、歌詞を全て引用したいぐらいに素敵な詩だと思います。
  Temple Bookは決して派手とはいえない今にも消えてしまいそうなメロディが、小さなギターの音と小さなアコーディオン、ドラムと共に
  不思議な揺らぎを作り出し、静かに耳をすますとその凄みに気づくことのできるアシッドフォークだと思っています。
  孤独な戦いをしずめ、新しい部屋での日々がはじまる、そっとはじまり生まれる喜びが永遠に続いていくことを僕も願ってやみません。
  そしてこの曲のメロディーが消えそうにないぐらいに印象的であるのにも感動しました。

06 ind_fris /Live tracks +1
  名古屋のダブステップトラックメイカー。サイケデリックなルーツダブの感触と奇妙なシンセが攻めてくる
  ダブステップ/エクスペリメンタルなダブ・テクノとしての揺らぎ。
  Andy StottやRSDなどにハマったことがある人なら必ず気に入ると思います。
  ネットレーベルVol4 RecordsからフリーDL可。マスト!
  http://vol4records.com/main/048.html

07 SIMI LAB /Page1 : ANATOMY OF INSANE
  多国籍な色をもつ、バイリンガルラッパーを含むラップ集団SIMI LAB 。
  作る音はドープなのにどこか人懐っこさを感じさせるメンバー達のキャラクターが好きです。

08 Seapony /Go With Me
  新譜の洋楽ロックをチェックしなくなって久しいのですが、これは久しぶりにグッときて長くリピートしました。
  ネオアコレーベルのSarah Recordsのような青臭い雰囲気に、既視感はあっても、やっぱり好きだ!と思ってしまいました。笑

09 Go-Qualia /Puella Magi
  ニコニコ動画などでアニメをネタにしたエレクトロニカを作っていて古くから知っていたのですが、
  ようやく今年12月にworld's end girlfriendのレーベルからCDがリリースされて購入。
  全体的にどこかポップで、それこそSeprhやDE DE MOUSEのファンにも受けるようなキャッチーさを持ちつつも、
  音に対する細部のこだわり、エディットの凄みにどこか簡単に近寄り固くも感じるようなドープさも持ち合わせていて、
  その二面性が不思議なオリジナリティを放っているように感じます。
  Ovalのような強烈なグリッチアンビエントに激ポップなエレクトロのビートがのってくる曲、
  アンビエントの上に奇妙なエディットされまくったキャッチーなメロディがのってくる曲。
  どれも強烈な個性を放った楽曲が並んでいました。
  このアルバムの双子的なミニアルバムはネットレーベルBunkai-Kei recordsからフリーDL可。
  http://bunkai-kei.com/release/bk-k_022/

10 FRIEND ZONE /kuchibiru networks2
  Eccyが今のベースミュージックスタイルに移る前に自身のトラックをシューゲイザーヒップホップと言ってた記憶があるんですが、
  FRIEND ZONEおよびCloud Rapのトラックはまさにシューゲイザーヒップホップみたいだなと思います。
  どれも深い海に沈んで行くような感じがとても良い。
  FRIEND ZONEではないトラックのUyama HirotoのStratusでMain Attrakionz + Shady Blazeが
  ラップをしている曲StratusやT.R.E.A.M.という謎現象でのクラシックアンセムLocal Distance (Produced by Konyaga Tanaka)
   by Carios + DKXOがハイライトとして感じてしまうのは FRIEND ZONEのアルバムとしてはどうなの感があるけれど、
  このアルバムの中身が最高なのは変わらないので、無問題。
  こちらからフリーDL可。
  http://soundcloud.com/friendzone/sets/kuchibiru-network-2/s-BDdaW






■以下次点

11 神聖かまってちゃん /8月32日へ
  夏という季節が僕は一年の中で一番好きだ。
  それは子供の頃に見た青春映画やアニメの影響かもしれない「夏の青春」の幻想を未だ捨てられずにいるからだろうか。
  だから最初に23才の夏休みという曲を聴いた時にビックリしてしまった。「夏が来たなんて言っても、どこにもいかない。
  予定がないからね」と僕は夏には何かがあるはずなのに何もないんだと言い聞かせるように自転車で走り続け老いていき、時に振り返り叫び続ける。
  そんなひきこもりが歌う歌詞に童貞だった自分が「夏」の景色から感じるエモーショナルを更に更新されたようなそんな気がした。
  それから数年経ってかまってちゃんは誰しもが知るぐらいに大きなバンドとなった。
  続編であるような22才の夏休みという曲では初めて夏の光景に「君」という存在が出てくる。 僕は神聖かまってちゃんというバンドの物語は、
  ひきこもりが音楽やネットを通じて誰かと繋がろうとしたり、挫折してみたり、一歩ずつ前に進んで行く過程だと思っている。
  だからこそ神聖かまってちゃんに感動したりするのだと思っている。前に動き出したから夏の青春を初めて手に入れて感動したり、
  それから離れて年が過ぎて夏への幻想に靄がかかって悲しんでみたりするのだ。

12 クラムボン /ある鼓動
  世界一好きなバンド、クラムボンが震災を受けて
  「ささやかな営みが とぎれることなく つづくように」という思いを込めて作ったシングル。
  NOW!!!をさらにミディアムテンポにしたような包み込むような優しい楽曲だと思います。
  僕はクラムボンに関してはこんなに普通のポップミュージックに聴こえる曲でもなんで魅了してやまないのか言葉で説明したり、
  レビューもどきをすることはできません。笑。
  でも原田郁子さんの声を初めて聴いた日からずっと好きなので、恋のようなものだと思ってます。

13 mito /DAWNS
  クラムボンのフロントマンでありベーシストのミトによる初めてのミト名義でのアルバム。
  ミト自身が好きな音楽であるアシッドフォーク、エレクトロニカ、ジャーマンロック、プログレ、ジャズといった趣味が
  クラムボン以上に直接反映されているアルバムだと思います。
  あるインタビューでミトが「僕は神経質な音楽がすごい好きなんですよね。エゴイスティックであったり、内省的であったり、
  自分の心底を探っていくような行為が。」と語っていたけれども、それが分かりやすく表れているアルバムではないかなと。
  クラムボンよりも取っ付きにくいけれど、クラムボンの骨格であるスリリングな部分が更に感じられて良かったです。

14 DJ Shhhhh /funeral gaucho
  DJ Shhhhhは民族音楽をクラブミュージックと絶妙な感覚で混ぜ、不思議なサイケデリックを表現するDJ。
  5月に、ある海外のサイトにあげられたアンビエントミックスはエレクトロニカ的なセンスではなく
  奇妙なフュージョンや民族音楽の選曲で作り上げられているのが新鮮でした。
  それこそDJ Shhhhhの発掘する音楽はまだまだこんな音楽が世界にはあるんだ!という驚きと、
  発掘した音楽をDJの力で自分の世界観に変えてしまう魔法で、日本にはまだこんなDJが沢山いるんだろうなーと
  ワクワクする気持ちになります。(DJ Shhhhhの奥さんのBIMIDORIも気になる)
  こちらからフリーDL可。
  http://dublab.com/2011/listen/archive/dj-shhhhh-funeral-gaucho-05-08-11/

15 THE ACT WE ACT /いってきます
  名古屋発ミュータント・ハードコア・バンド。Aunt Sallyをハードコアカバーするような
  どこか文系的センスが好きで気になっていたのですが、アルバムは予想以上に良かったです。
  サックスがフリージャズのようで、それが複雑な展開のパンクの勢いと合わさり、物凄い興奮を生んでくれる曲があったり、
  ストレートに一分も満たないハードコアパンクもあり、今年中にライブ見たかったけれども機会を逃しがしてしまったことが残念。
  NICE VIEWといい名古屋のハードコアシーンはいつも気になります。

16 YOUNG L /PRAKTICA
  ここ一年「SWAG」という言葉をよく聞いた。僕はまだよく意味が分かっていないで使っているのかもしれないけれど
  最初にこれが「SWAG」かと認識したのはYOUNG Lだった。
  8bit感溢れるトラックに重いビート、そこにのっかってくるファニーなYOUNG Lのラップ。
  SWAGで検索すると「振る舞いなどにおけるオリジナルかつ魅力的なスタイル」と出てくる、
  こんな変わったトラックとビートとファニーなラップで魅せつけてくれるやつはYOUNG Lしかいないだろう。
  こちらからフリーDL可。
  http://www.pinkdolphinonline.com/praktica/

17 オノマトペ大臣 /街の踊り
  シティポップ的なセンスを持つラッパー、オノマトペ大臣。トラックがどれも激アーバンで、それにのっかる軽快なラップ。
  決してラッパーとして上手いわけではないと思うけれども、街を歩く少年のように、そんなことは気にせずにグイグイと進んでいくラップに
  音楽なんて気軽に楽しめばいいんだよ。なんてメッセージを感じてみたり。
  やけのはらのTHIS NIGHT IS STILL YOUNGなんかが好きだった人はぜひ聴いてみてください。ネットレーベルMaltine RecordsからフリーDL可。
  http://maltinerecords.cs8.biz/98.html

18 EL HIJO DE LA CUMBIA /Freestyle De Ritmos…
  ここ一年はクンビアという音楽が気になった。
  でも伝統的なクンビアよりもデジタルクンビアやベースミュージックに取り入れた音楽のほうがよく聴いていた気がする。
  EL HIJO DE LA CUMBIAはクンビアの持つ特徴的な病み付きになるメロディとリズムをダンスミュージックに過剰に取り入れて、
  無理矢理ベースミュージックにしてしまているのに好感が持てます。(クンビアを取り入れました的なものだと地味になりやすい気がする)
  DJでかけても威力抜群そう。

19 Base Ball Bear /新呼吸
  Base Ball Bearはベースの関根史織さんがプログレ好きということで気になってはいたのだけれども、イマイチ手がでない感じで日々を過ごしていたんですが、
  弟がBase Ball Bear好きということで、この新譜を聴かせてもらったらハマってしまいました。
  ナンバーガール/スーパーカーの影響を受けたロック/ポップスにXTCの要素が混じってどこか変。
  シングルのshort hairのPVはストレートに甘酸っぱくて爽やかで悶絶死しましたし、夜空1/2はスーパーカーのluckyを思い出すような曲でただ涙…。

20 うつくしきひかり/うつくしきひかり(無題)
  なつやすみバンドの中川理沙とMC.sirafuによるユニット。親しみやすいメロディが優しいピアノとスティールパンと共に運ばれてそっと心に入ってくる。
  そういえば、老人ホームでおこなったライブでは、おじいさんやおばさんが知っている曲をうつくしきひかりが演奏したときに、大合唱になったらしい。
  このアルバムはオリジナル曲のみだけども、そんな風に誰しもが口ずさめるような普遍性を持った曲が並んでいると思う。スティールパンの音は素敵だ。










2011年にリリースされた作品以外で、よく聴いた音楽

キエるマキュウ /TRICK ART
スチャダラパー /fun-key lp
Cherry Brown /Where's Tha Lovvve :<?
Gong /2032
ZZK MIX MIXED BY MOODMAN & BEST COMPILED BY SHHHHH
linda perhacs /parallelograms
Ai Ai Ai / Lo Mes Gran Del Mon!
Mono Fontana / Ciruelo
Bomba Estereo /Estalla
PSG /David










今年のこの1曲
不可思議/wonderboy /生きる










ライブ、イベント等々で良かったもの
1.21(金) 灰野敬二+ミト(from:Clammbon)+ドラびでお /秋葉原CLUB GOODMAN
6.25(土) 6月のimoutoid /Super Deluxe
8.06(土) Less Than TV presents METEO NIGHT 2011 / 渋谷O-WEST+nest
8.21(日) Maltine Records presents もうなんかやけくそでサマーオブラブ /Unit
11.3(木) クラムボン /両国国技館









音楽以外でのベスト10

たまゆら







自己紹介
 20歳、学生。







2011年はどんな年?
震災。原発事故。とりあえずのところはこうやって生きていることを感じているのだから、このまま老いぼれて寿命が来て死ぬその日まで生きてやりたいと思った。












初投稿!



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