おれ的わたし的2010ベスト


■お名前
コウタロウ


2010年にリリースされた音楽で、良かったものベスト10 

1. Gil Scott-Heron / I'm New Here
 この世代のヒト達の音楽に対する姿勢と志しは高貴でシリアスそのもの。このアルバムはそれを証明する迫力が尋常ではない。自分の中の「悪魔」と戦ってるヒトのサウンド・トラックでもある。
 ただポエット・リーディングのアルバムって英会話のリスニング教材にしか聞こないのが悲しい。
 そういえばリー・ペリーの新作もディープかつアナキーだった。 一部ではリー・ペリーは全盛期を迎えてると噂されている。

2. Mike Patton / Mondo Cane
 このオトコの悪ふざけにどこまで付き合えばいいのかファンは悩んでしまう。数年前からオーケストラをバックに変なコトをしているのをYouTubeで確認していたが、
 とりあえず見なかったコトにしていた。しかし音盤として発表されたら聴くしかない。今回はイタリアの古いポップスを巻き舌でかなり真面目に歌っている。
 祖先がイタリア系移民という自分のルーツを真摯に見つめ直したかどうかは不明。

3. Melvins / Bride Screamed Murder
 そのマイク・パットンともツルんでるアンダー・グラウンドの重鎮も頼もしい。
 個人的にはソニック・ユースに並ぶくらいのオリジナリティを有するとは思うのだが、あっちはアートでインテリだけど、こっちは下品で汚くてクサいからマニアなファンしか寄り付かない。
 ちなみにソニック・ユースと同じくらいにレアなアイテムが多数存在するが、これらもマニアの餌食になってしまう。

4. Sweet Apple / Love & Desperation
 ここ数年のマイ・ブームはダイナソー Jr。これはJ・マスシスのサイド・プロジェクト。レーベルやジャケ(バンドは忘れてしまったけどイギリスのNewWaveバンドのジャケのパクリ)
 から想像できるサウンドではなく、痛快なガレージ・ギター・ロック。サウンドの随所にグランジの生き残りが教えてくれる「ロックの核心」が散りばめてある。

5. The Bird & The Bee / Interpreting the Masters 1: Tribute to Hall & Oate
 「萌え〜」っていう感情をいまいち理解できなかったのですが、ローウェル・ジョージの娘が援交ソング「Rich Girl」を歌うのはまさしく「萌え〜」。
 よく考えると「萌え〜」的なコトってかなりあって、オリアンティみたいなパツキンの美少女がPRSのギターで変態スティーブ・ヴァイと超絶ギター・バトルするのも「萌え〜」だし、
 テイラー・スウィフトというティーン・アイドルが絶倫男ジョー・エリオットとデフレパの曲を一緒に歌うのをYou Tubeで見た時は究極の「萌え〜」で体が痺れた。

6. The John Butler Trio / April Uprising
 ジョン・バトラーはギターもウマいがカリスマ性がある。11弦のアコギを気持ち良さそうに弾いている姿は惹きつけられる。
 今作からはリズムが強調されたので、従来からのファンにはやや不評。ただ楽曲の輪郭がハッキリして力強くなったのは明白。っていうかそんなに変わってないと思う。

7. High On Fire / Snakes for the Divine
 僕は知らないのですがSleepという伝説のバンドのメンバーがいるらしい。「漢」を「オトコ」と読んだり、モーターヘッドが大好きなんだろうなぁ〜という暴力の限りを尽くしているサウンド。
 とにかく音圧で息苦しくなる。どのLoud Rock系のチャートを覗いても長い期間トップ10に居座り続けたのも納得。でもこの年齢になると正直こういう音楽を聴くのがツラくなってきた。
 CDを買っても2〜3週間くらい放置したままなコトもあったし…。意地張って「今でもハード・ロックが大好き」って言い張るのやめようかなぁ。

8. Slash / Slash
 こんなに購買意欲を刺激するアルバムは昨今珍しい。なんせオジーからイギーにレミーまで古参が勢揃いして、小銭稼ぎにスーパー・ギターリストに群がっている。
 ただレミーの曲はかなりカッコいい。っていうかレミーが歌うからカッコいい。クリス・コーネルも「Say Hello To Heaven」級の名演を披露。
 ちなみにイアン・アストベリーはなぜかBorisとEPを作ったらしい。本当?ジュリーの「花、太陽、雨」を英語で歌ってたらイっちゃうかも。そういえばスラッシュはGuns & Roses時代に
 コンサートで「ゴッド・ファーザーのテーマ」をギターでフル・コーラス弾くという都市伝説があったが本当?そういう一般人とのズレた感覚が「スター」らしい。でもレスポール弾く姿はスゴくカッコいい。

9. Tricky / Mixed Race
 スモーキーなジャケがイカすオリジナル・ダブ・ステッパー。前作はジェントリーなアルバムであったが、最新作はプライベートでムカつくコトがあったのか、以前のダークな世界が戻っている。
 ただキャリア初期に比べるとバイオレンスや「血の臭い」は薄い。次作が楽しみ。

10. Hole / Nobody's Daughter
 絶対に口答えをしないであろう気の弱そうなオトコ達を従えて復活。美容整形で顔をイジってるが、ダミ声は相変わらずのまま。
 ただスマートで自然体なオリアンティみたいなヒトに比べて「女性ロッカー」であるコトにオールドな気概を感じる。
 このアルバムは以前のウエスト・コースト・ロックなテイストは薄めで、「Skinny Little Bitch」とお下劣に叫ぶのがイカす。






2010年にリリースされた作品以外で、よく聴いた音楽
今年はとにかくレコードを収集した1年でした。「レコードって邪魔だなぁ〜」と思いながらもニヤニヤとジャケットを眺めながらの音楽鑑賞。締めはBNの乾いたサウンドで悦に入る。
空間を切り裂くトランペットの音、鼓膜を振動させるスネアの音。最高です。1位は去年発売されたアイテムですが今年もずっと聴いてました。

1. Nirvana / Live at Reading
 ニルヴァーナを印象深くさせたのは歌詞もであろう。当時のHR/HMの歌詞はエロとサタンが支配していたが、カートの自省を促すシニカルな歌詞はクリティカル・マスと呼ばれる人々の感性を直撃。
 一躍「時代の代弁者」になった。全盛期のこのライブを聴くとカートの死はやはり惜しまれる。
 この後、ニルヴァーナの人気が下降して落ちぶれても、カートならドローン・ミュージックあるいはアコースティックでも興味深い作品を発表してくれただろう。
 もしかしたらセレブ生活に目覚めて、デイブ・スペクターに笑えるセレブの1人としてパリス・ヒルトンと一緒に紹介されたかもしれない。

2. Eric Dolphy / Out To Lunch
 ジャズはスリリングな音楽だ。当たり前のコトだがHM/HRにも求め得ないモノが潜んでいる。どこか危険な、そしてストイックなニオイがある。
 そしてこのアルバムの緊張感を超えるアルバムを未だ聴いたコトがない。

3. Tony Williams / Lifetime
 やっぱり恐ろしいヤツだった。18歳にしての初リーダー作でありながら、自分を抑制して、見事に目指すサウンド・ビジョンに到達している。
 目指したのは恐らくは少し前に参加した「アウト・トゥ・ランチ」であろう。トニー・ウィリアムスのドラムには新しさが感じられる。それは「黄金」のマイルス・クィンテットで如実だ。
 しかし、その新しさにジャズの「未来」ではなく「限界」を感じたマイルスもスゴいヒトだ。

4. Wayne Shorter / Speak No Evil
 ウェイン・シューターといえばジャズ界のスーパー・スター。ジャズ・メッセンジャーから黄金のマイルス・クィンテット、そしてウェザー・リポートまで輝かしい経歴は素晴らしい。
 さてこのアルバムは60年代というジャズの変革期において彼があまりにも先鋭的だったコトがわかる。何よりアルバムを貫く雰囲気の演出がタダ者ではない。

5. Freddie Hubbard / Breaking Point
 「オープン・セサミ」の生意気な顔がムカつくし、ジャズ・メッセンジャーにリー・モーガンの後任として入ったという輝かしい経歴もムカつく。
 しかしスマート・ボーイも真の天才に出会うコトで己を見つめ直すのは世の常だったりする。「アウト・トゥ・ランチ」に参加したのは彼にとった大きなターニング・ポイントになったのだろう。
 このリーダー・アルバムではかなり影響を受けていて微笑ましい。ハバードはこれ以降はシリアスなジャズから遠ざかった。

6. Herbie Hancock / Inventions & Dimensions
 とにかく長い期間に渡って活躍し、彼の残した音楽遺産はこれからもリスペクトされていくだろう。
 このアルバムはピアノ・トリオにパーカッションを加えてのアルバムだが、ここに野心に燃える若きハービー・ハンコックの出発点が克明に記録されている。
 ちなみにパーカッションのウィリー・ボボ本人あるいは息子かはわからないが、ビースティ・ボーイズのツアーに参加していた。

7. Bobby Hutcherson / Happenings
 これまたエリック・ドルフィーの「アウト・トゥ・ランチ」で効果的なサウンドを鳴らしていたボヒー・ハッチャーソン。
 他のブィブラフォン奏者より控えめで音を慎重に選んでいる感じがして知的だ。ハービー・ハンコック作の「処女航海」を収録しているが
 オリジナルよりも印象深く、楽曲も処女航海に引けを取っておらず佳曲揃いである。ピアノで素晴らしいサポートしているのはハービー・ハンコック自身。

8. Art Blakey / African Beat
 アート・ブレイキーはメッセンジャーを伴っての「ジャズ」というファンキーな音楽をカマしてくれた。実際「モザイク」を聴かなかったら、こんなにジャズにはハマらなかっただろう。
 このアルバムは「ホリディ・フォー・スキンズ」の続編。「ホリディ・フォー・スキンズ」を2枚通して聴くとさすがに拷問だが、このアルバムはそれをコンパクトにした感じ。

9. Solomon Ilori / African High Life
 そのAfrican Beatに参加したSolomon Iloriのリーダー・アルバム。歌詞の内容はわからないけど、サウンドは陽気でポジティブ。
 コール&レスポンスもあり、感触はニューオーリンズ・ファンクに近い。教育テレビの子供番組に採用されてもいいような曲もあったりする。

10. Lee Morgan / The Gigolo
 「サイド・ワインダー」の大ヒットによって彼は勘違いしてしまった。マイルスやオーネットが「次」を模索していた時代に、ビリー・ヒギンズと呑気に8ビートでやり過ごそうとしていた。
 ただ、このアルバムの1曲目はさすがに神童と呼ばれたオトコである。タイトルはナメているが、サックス・ソロが終わった瞬間に「お前にはこんなコトできね〜だろ」とばかりに
 高音のフレーズを速吹きする。タイトル通りのジゴロであっただろう、生粋のハード・バッパーは愛人に射殺されて人生を終える。なんともジャズなヒトだ。







今年のこの1曲
George Clinton / Atomic Dog
 今年はワンちゃんを飼い始めました。FunkyでNastyなワンちゃんで振り回されました。

 でも本当によく聴いたのは恵比寿マスカッツの全シングル。できれば希志あいのが番組内で歌ったカーペンターズの替え歌を無修正&フルコーラスで発売して欲しかった。








■ライブ、イベント等々で良かったものがあれば挙げてください。
サマーソニック / 幕張メッセ&千葉マリンスタジアム
いわゆる夏フェスに初めて行ってきました。例年よりもメンツがイマイチらしい。マイケル・モンローにHouse Of Painのエヴァーラスト…納得。
会場では出演者の流れが把握できずバタバタしてしまった。








音楽以外でのベスト10
@ワンちゃんを飼い始めたのはいいのですが、パートナー(カノジョとか言う年齢でもないので…)との金銭感覚の違いにいちいちモメる。
去勢手術やワクチンの費用は必要経費ですが、しつけ教室に4万円、1ヶ月に1回のカットが8000円で犬用の泥パックに1000円。泥パック?ふざけんな!

A生まれて初めて新車を買いました。
超大衆車のプリウスです。納車の日はそれなりに楽しみだったんですけど、納車されてゲンナリ。ガソリンが満タンじゃなかった。
そりゃあカイエンとかハマーみたいな高級車じゃないけど、ガソリンくらいは満タンで納車してください。
そういうモンなんですかね?ムカついたから、次は最上級のレクサス買って、フルスモークの車高は地面スレスレで納車させてやる。

Bそのプリウスを乗るとホントに燃費メーターばっかり気にしながら運転するので全然ファン・トゥ・ドライブじゃない。
しかもそれなりの費用を捻出して軽量化のエコ改造してるのに、よくツルむのが体重が推定90sオーバーのタフガイ気取り。意味なし。
もう状態がいいうちに売って、やけくそで中古のトランザムでも買っちゃおうかなぁ。

Cこの歳になると、ウザいくらいに結婚のコトについて聞かれました。
まさかこんなに聞かれるなんて20代の頃は想像もしなかったです。心配して頂いてるのはわかるんですけど、それはそれで重たくて、一時期はノイローゼになりそうでした。
でもそろそろ結婚を真剣に考えなくてはいけない時期かも…。既婚の友達とは子供手当が話題になったりしたけど、独身の友達だと「アナキンにもパダワンがいたの?」とか
「宇多田ヌケル」とかアホな話題ばっかり。独身が続くとアホになる。っていうかアホのまんまで生きていける。

D今年からジョギングを始めました。
絶対に「できない子」だと思ってたのですが、フツ〜に今でも続いています。月間200q走ったりするんですが、まぁ〜痩せる痩せる。体重も15q減りました。
食生活も健康的になり、夕飯も野菜スープのみ。さらにジョギングはセックスレスの高尚な言い訳にもなるのでしばらくは続けたいです。来年はハーフの大会にでも出よっかなぁ。

E10歳以上も年下の女の子に「相談があるんですけど…」と食事に誘われました。
オッサンが淡い期待を胸にレストランに連れて行ったら、ガチな相談だったので軽く意気消沈からの自虐ギャグ連発で「相談相手」は不思議に感じてたみたいです。
でも30代のオッサンは狙われます。「まだ遊んでるの?」っていう世間の冷たい視線と「エロ親父にはなりたくない」っていう自制心から、金は出すけど手は出さないからね〜。
それを知ってて誘うんだから、やっぱオンナってコワいよな〜。

F最近になって80'sメタラーが共感する負け犬映画「レスラー」と「アンヴィル」を観ました。
物凄く楽しみにしていたのですが、ハッキリ言ってツマんなかったです。「レスラー」はミッキー・ロークのキャリアと重ね合わせて切なくなったヒトもいるとは思うんですけど、
彼が調子ノッてた頃なんて、コカイン吸って女とヤリまくってたんだから同情する必要なし。
しかも映画の中でRattをバックに「80'sメタルはサイコーだぜ。カート・コバーンが出てきてメチャクチャにしやがった」とか言ってるけど、なんかバブルを忘れられない世代とダブってしまいました。
「アンヴィル」に至ってはもはや言葉も出ない。「オレ達はヤツらみたいに売れなかった」とか言ってたけど、そのヤツらがBon JoviとかWhite Snakeってどうかしてるぜ!
ジョビ夫とかデビガバとはルックスが全然違うし…。こういうバンドって世界中に無数にいて、端から見ると映画になっただけでもラッキーなヤツらだと思うんですけど…。
マイケル・モンローがこういうコトを言うとリアリティを帯びてカッコいいんだけどなぁ。

G今年はスピーカーを改造したので、アンビやダブステな12インチを買い漁っては気持ちよく聴いてました。
やっぱりレコードが好きかも。Digital Mystikzってヒトの新作は180gの重量盤の3枚組で感動しちゃいました。

Hそういえば、ブログとかで「ジャケ買いして正解」みたいなコト言うヒトってまだいるんですね。
なに「千円で確変当てた」みたいに勝ち誇ってんの?全然カッコよくね〜から。今ならネットでちょっと調べれば中身の想像なんてできるじゃん。
有益な情報がない時代に、不気味なレコードと対峙してフォースを鍛えた世代をなめんな。

Iちょっと言いたいコトがあるんですけど、肉食系とか草食系とかって言葉コワくないですか?
これって女性が自分の欲望を満たしてくれそうなオトコを肉食系とか呼んでるんでしょ。違うの?とにかくコワい。あと「ざっくり」が口癖なヒトにもイラっとしません?
口の中に「キャベツ太郎」を詰めてやろうかとついつい思っちゃいます。まぁケロロ軍曹の真似されるよりかは100倍マシなんですけどね。







自己紹介
36歳。
元(リアル)スケボー少年。
でも宮下公園にスケートパーク建設は反対!
スケボー少年は警察や警備員に追い回されたり、ヤンキーにカラまれてたくましく育つのに、優良企業が守ってどうすんの?
スケボー少年はそんなに金持ってないよ。






2010年はどんな年?
とてもTwitterやりたかったんですけど、結局やらなかったなぁ。
Mixiもやったコトないし。
今までやったのってスタビくらいかも…。
いわゆるメル友には過去2人と会ったんですけど、下心なんて一瞬で遥か彼方に消えてしまうような…。
とりあえずこういうのでイイ思いなんてしたことないです。
あっ…、ありました。
表参道でのイベントにお邪魔した時にお会いしたサイト管理人の石井さん。
すでに酔っ払っていらして「The Harder They Come」のレコードを頭にのせていました。
全身から漂う「音楽好き」のオーラが素敵でした。
あれからもう3年くらい?時が経つのが早い。










コウタロウさん、まいどです!
相変わらずコメントがおもろいなぁ、褒めているのと貶しているのスレスレなのにどれも聴きたくなるという...
Jマスキスの別ユニットなんて知らんかった買ってみます。ジャケエロいし。あとブルーノート系ジャズも聴いてみよう。
表参道のイベント、あの夜は楽しかったですねー。時が経つのは早いものです。レコードは毎回頭にのせています!ジャケ買いして大喜びします!


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