おれ的わたし的2009ベスト


■お名前
サカモトユイ  Rock'nRool Bakery







2009年にリリースされた音楽で. 良かったものベスト10

1.Wilco /Wilco(the album)
 実にシンプルな音作りで聞き手を掴んでくる。そんな音作りとメロディ・ラインのキャッチーさが親密度合いをグッと高める。
 隙間だらけの音に耳を傾けていると様々な風景が目に浮かんでくる作品。
 とは言え、聞き手に決して媚を売っているわけではない。音の奥に見える芯の強さにこのバンドの真髄を楽しんだ。
 来日公演が非常に楽しみ。

2.titus andronicus / titus andronicus
 09年最大の発見、そして10年代を賭けてみたいバンドだ。ヨレヨレのボーカルに音圧の高いギターサウンド。
 その根底にあるのが、衝動なのだということが、わかり過ぎるぐらいの音像をレコードにぶち込んでいる。
 アルバムの構成とか、曲の展開とか大げさすぎるぐらいなのかもしれないけど、そんなことは全く関係なしで拳を握りしめてしまう。
 「見る前跳んじゃう」こんなバンド中々見つけられないのだから、来日熱望デス。

3.Smith Westerns / Smith Westerns
 とにかく下手くそ。それでも聞いてしまうのは、計算されていない天然のポップさだろう。
 音だってサイケの匂いはするのだけど、どこまで本気なのかと首をひねってしまうぐらいの感じが可笑しくもある。
 こういう隙だらけの音って悪くない。どこか綱渡り的なスリリングさに新しい風の予感を感じる。

4.Yo La Tengo / Popular Songs
 余計な説明は一切不要のインディー界の大御所。タイトル通り、彼らの思うポピュラー・ソングが詰まった作品。
 作品の所作はとっ散らかった印象もあるのだが、それ以上に巷に溢れる消費嗜好型の音は違うのだという気概に満ちた一枚だ。

5.Lightning Bolt / Earthly Delights
 高円寺のライブハウスで今年初見をした時はぶったまげた。
 問答無用に迫ってくる音の塊の中で、ひたすら踊り狂って精も根も使い果たしてしまった。
 ベースとドラムというリズムだけで作られる音の力強さは圧倒的で、殺気に満ちている。
 こういう狂気の中に身を投じることにこそ音楽を聴く理由があるのだ。

6.THE BEACHES / 20090621@Shimokitazawa GARDEN
 下北出のライブ盤で、iTunes配信の作品。本当はスタジオ盤で、と言いたいところだったが、
 恐らく東京のライブでは一番女子レベルの高いバンドなので、あえてライブ盤を押します。
 不埒な音をまき散らし、都会の喧騒の外れで踊らせ続けるゲリラ部隊。
 文句のつけようのない確かなリズムにのる鍵盤とギターの音が気持ち良すぎる。
 ステップ止めるには早すぎるのだ。踊り続けようじゃないか。ビーチズと。

7.夙川ボーイズ /夙川ボーイズ
 キンブラのマーヤの別バンド。バカバカしいと思えるのであればそれも良し。シリアスぶっている世間を思い切り笑い飛ばすような快作だ。
 彼らの大真面目さが、世界を救うのではと本気で考えたりする時が確かにある。
 伝えたい事があるとか、そういうことを超越したところの音なのだ。
 表現者としての力だけで音が鳴っている稀有な一枚だということは動かしようのない事実だ。

8.neco眠る /Even Kick Soy Sauce
 関西の最終兵器。フジロックに集ったオーディエンスを真の乱痴祭りに陥れた今年のneco眠るだが、スタジオ盤も素晴らしかった。
 6畳一間をダンスホールに変えてしまうビートとアンサンブルに無我夢中で狂っていた。
 前作以上の音幅の広がりに今後の未来を期待せずにはいられない。
 今、一番望むのは某カクバリズムのようにならないで欲しいということ。東京のレコ発に友人達との久し振りの集いを振り切って参加したのも今年の思い出の一つ。

9.ソウル・フラワー・ユニオン /エグザイル・オン・ザ・メインビーチ
 「ウタ」という字を漢字に変換した時、彼の場合は躊躇なく「唄」という字を選んでしまう。
 それは、彼らが伝えるべきことを明確に音楽というフォーマットとして、聞き手に届けているからだ。
 この作品にはそんな彼らの唄を見事にパッケージされている。どこにいこうか迷った時はこの作品に耳を傾ければいい。
 道標としての唄が、あなたの耳に届くことを約束する。そして、未来はきっとあなたのものになることも。

10.忌野清志郎 /Oh! Radio
 何も言うことない。残された僕らの使命は、清志郎の唄を継ぎ、繋ぐことだけだ。


10以外は順不同に今年聞いた10枚。基本的には気持ちが前のめりになるものを選んだつもり。
重点的に耳に入れていた(入ってきた)のは、米のインディーズと大阪界隈の音楽。
そこにあるのは右へならえで済まそうとしない熱い塊がグツグツと煮え立つ雰囲気があった。
そこには、人間の持つ多様性の素晴らしさが溢れるばかりに存在し、そんな彼らの表現の力を思い切り受け取った気がしている。
こんな時代だからこそ、そんな計り知れない可能性に自分は肯定的でいたいと感じているのだし、
音楽という表現に心惹かれる理由を改めて思い出させられた作品である。

とは言え、この10枚が、09年を象徴しているかどうかはわからない。こうやって並べて改めて感じるのは、
どこにもヒーローめいた面持ちがないことだろうか。見て、聞いて憧れるというよりは、自分が入り込める余地がある音だ。
そんな音を好むのが年を取ったせいなのかどうかは良くわからないが、音の中に入り込むことに快感を感じていた一年だった。

残りわずかとなった今年の最後は、清志郎の静かな眠りを祈りたい。R.I.P.










2009年にリリースされた作品以外で. よく聴いた音楽

忌野清志郎 /完全復活祭 日本武道館
 完全復活という言葉がこれほど重みある言葉だったとは知らなかった。
 思い出のナンバーからではなく、最新作が占める冒頭のパートに清志郎らしさを感じる。
 そして、2度とこのライブが見れないことに涙が止まらない。








■あなたの「今年のこの1曲」は?

パフューム /ワン・ルーム・ディスコ
 今年は、新宿のディスク・ユニオンにて爆音で流れるパフュームを聞いてスイッチが入りました。
 この曲を聞いていると青春の匂いがしてくる。パフューム的なアイコンを求めている自分を発見してしまったという意味でもこの1曲です。








ライブ. イベント等々で良かったもの
ギターウルフ /日比谷野外音楽堂
 久し振りに見たウルフのカッコよさはやっぱり度肝を抜かれた。野音でダイブが出来ないなんて誰が決めたんだ。

オアシス /フジロック09
 初めてみた。見ておいて良かった。こういうバンドってもしかしたらもう2度と出てこないかもしれない。

neco眠る /新代田フィーバー

 フジロックも良かったけど、盛り上がりはこちらの方が圧巻。お祭り騒ぎとはこういうことを言うのだね。
 ステージなんて上ってなんぼだと思った。

ライトニング・ボルト /東高円寺U.F.Oクラブ
 こういうキチガイだらけのお客さんばかりのライブってすごく良い。バンドのテンションも圧倒的で、登場した瞬間に迎える沸点だけで参ってしまった。








音楽以外のベスト

村上春樹 /1Q84⇒本

神田ミートセンター⇒酒場

ラーメン二郎⇒ラーメン

少年メリケンサック⇒映画

色即ぜねれいしょん⇒映画

稲荷神社⇒京都







■自己紹介
1978年生まれのサラリーマン。酒には飲まれるタイプだけど止められない。








■2009年はどんな年?
肉より野菜を食べる方がしっくりくるようになりました。

初めて見た「太陽の塔」のわけわからないパワーに触れました。











初投稿ヽ(´ー`)ノ




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