おれ的わたし的2009ベスト | ||
■お名前
ナギラミツタカ Uma Nuvem Se Aparece
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・七尾旅人×やけのはら /Rollin' Rollin' この先、過去を振り返ったときに、09年の思い出として必ずこの曲を思い出すことになるでしょう。 この魔法がかかったような一曲は、ポップスへの希望を日本中の音楽ファンに改めて教えてくれたような気がします。 ・Black Is The Color Of My True Love's Hair a selection of norwegian folk jazz 1971-1977 ノルウェーの民謡とジャズとの出会い、その歴史。 70年代から続く、自国の伝統への愛情と新たな時代への野心が近年の北欧人気を作り上げてきたのだと実感。 ・Blue Asia(Sketches of Myahk ) 久保田真琴が宮古島で出会った数々の音源をリミックス、オーヴァーダビング。 無条件に楽しく、ドープ、かつ時代の雰囲気と同期。僕の周りが最も盛り上がったのは間違いなくこれでした。 ・「Patiloma 波照間 古謡集1 」「Ikema 池間島 古謡集」「Myahk 宮古 多良間 古謡集」「Nisumura 宮古西原 古謡集」 上記「Blue Asia」の編集前の元音源。 ただの島歌と思う無かれ。フィールドレコーディングで録られた老婆の歌声にはスピリチュアルとか何とかと言うような次元ではなく、畏怖すら感じた。衝撃。 ・松田聖子/パイナップル(リマスター) 不世出の史上最高のアイドル歌手の名作がリマスター。 素晴らしい音質の贅沢なマスタリングで改めてその音楽の圧倒的な魅力に気付く。 楽曲、演奏はもちろんだが、その歌唱にもポップスの真髄が。 ・Joyce / Visions Of Dawn: Paris 1976 Project ジョイスのパリ録音が発掘。近年屈指のベスト発掘でしょう。 「カリオカの午後」に続き、刺激的なジョイスを楽しめる異色作。 ナナ・ヴァスコンセロスはすごいねぇ。 ・Merry Clayton/Gimme Shelter ソウルからロック、ポップスなど数々の名盤をその声で彩ってきた隠れた名シンガーの傑作が1st〜3rdまで三枚まとめて初CD化。 ずっと待ち望んでいた僕にはとっては今年のベスト再発。輸入盤のみで過去に再発されてる4thもお勧め(限定らしいのでお早めに!)。 ・Rokia Traore/Tchamantche 輸入盤は08年だが、国内盤は今年のリリース。去年のこのサイトで知り、探した直後に国内リリースされました。 凛とした佇まいに聴いた瞬間、感動で身体が固まりました。一生大事にしたい名盤。 ・George Cables/why not? 悠雅彦氏が運営していた日本が誇る名レーベルWHY NOTを海外のレーベルが再発(国内盤は廃盤)。 一本筋の通ったサウンドが名を連ねるカタログはぜひ、この機会に多くのジャズファンに聴いてほしい。 これはずっと欲しかった「甘口イメージのケイブルスの真の姿がここに」なピアノトリオの佳作。 ・菊地雅章/End For The Beginning 和ジャズブームのおかげで、日本が誇る天才ピアニストの作品が大量に初CD化。 菊地の鋭い感性はどの時代も刺激的。音質も最高品質で文句なし。 ・Savath +Savalas/La Llama Prefuse73ことスコット・へレンのフォークトロニカ路線ユニットがなんとStonesThrowから。 前作「La Llama」はアルゼンチンの奇才Spinettaと図らずも類似した浮遊感メランコリック・フォーキーだったが エレクトロニカへ傾き、サイケデリック度が高まった本作のサウンドはレーベルカラーからか。 ミナス等のブラジル音楽へ傾倒しているという志向も含めて非常に気になる存在。 ・Hope Sandoval & The Warm Inventions/Through The Devil Softly "僕の人生のベスト10"に多分入る名作1st「Bavarian Fruit Bread」からずいぶん待たされた。 アンニュイな色気の歌と薄暗く揺らめくサイケデリックなサウンドは相変わらず。2ndも満足。 -------------------------------------------- 次点(多くてすいません) ・CASINO MUSIC/Jungle Love ZEが国内再発。ZEはLizzy Mercier DesclouxやJames Whiteの名盤だけじゃない。 ゆるく身体を揺らしたいときに最適。 ・Sun Ra/New Steps 近年サンラが続々再発されているのに、ブームが去ったからか話題にならないねー。 去年は「Sleeping Beauty」「On Jupiter 」、今年はこれ。 どれも良いですよ。ヤン富田さんも喜んでるはず。 ・Virginia Astley/Hope in a Darkened Heart やっぱりこれが最高傑作。坂本龍一はやっぱり凄い。 ・Ester Phillips/Alone Again Naturally ジャズヴォーカルの隠れた佳作。ひっそりと再発。 ・Diane Denoir & Eduardo Mateo/Ineditas ウルグアイボッサの傑作。デッドな録音が逆に功を奏した逸品。 ・Andy Narell and Relator/University Of Calypso スティールパンは今年も世界を魅了。「20th Century Steel Band/Warm Heart Cold Steel」 と併せて、楽しませてもらった。 ・Don Cherry / Latif Khan チルったドン・チェリーもなかなかでした。昼寝用。 ・Hugo Fattoruso /Cafe Y Bar Ciencia Fictiona ウルグアイの天才ピアニストの今年の作品は自身のソロ。 ・Roy Ayers/africa center of the world 意外と未CD化が多いロイ・エアーズがまとめて再発。 メロウでゆったりしたこれはBGMに最適。 ・Hannibal Marvin Peterson/The Light 日本製作の硬派なジャズがぞくぞく再発。Billy Harperはじめ「やっぱりいいなー」って佳作揃い。 ・Jim O’Rourke/The Visitor ・Marianne Faithfull/Easy Come Easy Go ・Nimrod Workman/I Want To Go Where Things Are Beautiful ・Freddie Hubbard / Rollin' ・Andres Beeuwsaert/Dos Rios ・Marta Kubisova /Ne! ・Egberto Gismonti/Saudacoes ・VA/Marvellous Boy - Calypso From West Africa ・Puente Celeste/Canciones ・Cris Aflalo/Quasa Tudo Da ・Melissa Laveaux/Camphor & Copper ・VA/Groovy Indeed!テイチク/ユニオン編 |
■2008年にリリースされた作品以外で、よく聴いた音楽
・鈴木勲/自画像
近年最も驚いたアルバム。
CD化されたにもかかわらず売れずに廃盤になって埋もれてしまっていたのはある種の損失だと思う。
・UAKTI(DVD)
その衝撃的な馬鹿テク演奏&特殊楽器に一緒に見たジャズ喫茶店主、某中古ショップスタッフ、
某大手バイヤー、音楽好きの美容師が最初は息を呑み、その後、溜息&歓喜。
今まで見たライブ映像作品の中で、最も素晴らしかったかも。
・Henri Texier/amir
フランスの名ベーシストが多重録音でジャズとワールドミュージックの融合に挑んだ異色作。
ヨーロッパのクラブミュージックのプロトタイプのようなスマートさと聴き易さは非常に興味深い。
・Don Blackman
今年は踊れる新譜/再発が個人的に不発だったかも。
とりあえずという感じでディスコの定番を手に取る機会が多かった。
・Wilson Moreira/Peso na Balanca
今までで一番サンバを聴いた年でした。中でもこれをへヴィープレイ。
・大貫妙子/Pure Acoustic
歌詞が沁みる歌、ライブの名盤。詞がすっと入ってきて、情景が浮かび、自分の過去と重ねてしまう。
エレガントなサウンドも鉄壁。休日にこれ聴きながらよく昼寝しました。
・John Wesley Harding/Trad Arr Jones
ピーター・バラカンの帯コメント買いで当たり。
イギリスの民謡をさらっと聴かせるフォーキーの佳作。これも昼寝時に多用。
・Nicanor Zabaleta/Spielt Johann Sebastian Bach
これも昼寝に。ハープ奏者のバッハ作品集。クラシックですけどJoanna Newsomより心安らぐ。
■今年のこの1曲
・七尾旅人×やけのはら /Rollin' Rollin' これしかないでしょ。
■今年のこのCM
・土屋アンナによるルーズなカーペンターズ「sing」カヴァー(カラオケDAM)
http://www.oricon.co.jp/news/movie/64931/
・内田恭子の素晴らしい発音の英語(J-Com)
http://ameblo.jp/hajikmi/image-10372431159-10285642968.html
■ライブ、イベント等々で良かったもの
・ブラジル映画祭2008にて 映画「カルトーラ」
見逃していた、サンバの名ドキュメンタリーをようやく。
心温まると同時に、熱い気持ちがこみ上げる。
サンバの奥深い魅力に今一度、気付かされる。
・IGARASHI AID@国立 福助
五十嵐一生さんのためのライブイベントに一曲だけ参加した小玉和文のすさまじい演奏。
小玉さんはジャンルこそ違えど日本のマイルスだと思う。
田中徳崇という素晴らしいドラマーを偶然目撃できたのも大きな収穫(=事件)だった。
■音楽以外でのベスト
●飲食店:なにや(一橋学園)
… 僕の周りでこの店がブームでした。さっぱりした味わいは他に無い。最高。
http://r.tabelog.com/tokyo/A1328/A132804/13016113/
●漫画:
こうの文代の漫画
…この人の漫画をほぼすべて買いました。良い表現が見つからないほど良い。
●書籍
佐々木敦/ニッポンの思想 … わかりやすかった、名著。
三田格 STUDIO VOICE/アンビエントミュージック1969-2009 … スタボイ最後の良仕事。いままでご苦労様。
●TV:
Dr.HOUSE … 初めてアメリカのドラマにはまりました。ひたすらシニカル。だけど笑える。
深夜食堂 … ベタな人情モノ、でもはまりました。鈴木常吉の挿入歌も良かった。小林薫に惚れた。
●アイドル:
中村みう
… テレビで見ても何も思わんけど、グラビアでの色気は凄い。
グラビア引退後にその魅力に出会いました。引退が惜しまれる。
●女優:チェ・ジウ
… 「スターの恋人」を見て、今更、その魅力に気付く。美しいし、かわいい。
■自己紹介
中央線沿線に住んでいる音楽好き。
ジャズが好きです。
ブラジル音楽も好きです。
軽薄なものも、厳ついものも、両方に興味があります。
今年もお世話になります。
■2009年はどんな年?
今年も、相も変わらず、素晴らしい音楽との出会いがありました。
嘆いている暇が無いほど、良いものと出会ってしまう。
それも、ひとつのジャンルにのめり込めない性分のおかげかと。
国分寺のプー横丁の店と言う喫茶店でのささやかなイベントも始めて三年が過ぎました。
http://poohshouse.web.fc2.com/event.html
音楽を愛する方との新しい出会いや、いくつかのうれしい共感を呼んだことが喜ばしかったです。
カルトーラ&サンバ特集、ウーゴ・ファットルーソ&エドゥアルド・マテオ特集、ウアクチ特集とか、
無茶でコアな企画ばかりでしたが、わざわざ足を運んでくれた方に感謝。
あと、石井さんに影響されてブログを始めました。
雑誌メディアが減ったりするこんな時代だけに、
"ちいさな誰かが利害関係無く発信する"ことの積み重ねで、そんな損失を超えていけたら、
そして、あわよくば僕もそんな中の一つのピースになれたらと、
そんな淡い希望と妙な自意識でブログを続けていけたらと思っているところです。