おれ的わたし的2008ベスト | ||
■お名前
るーふぁす Green
Mind
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全てのアルバムが走者一掃のタイムリースリーベースみたいでした。 よって、順位なんてのは無粋ですが、順位とかジャンルとか好きなので 便宜上ってことでよろしくお願いします。 1. Ryan Adams & The Cardinals / Cardinology 聞いた回数では断然Perfumeの方が多いんですが、それでもこっちの方を選んでしまう信者心理。 今作も「Easy Tiger」のような地味なアルバムです。 が、密かに密かにキャリアの総決算をやってのけてます。 ライアンの分身のようなカーディナルスとの演奏は「息が合ってる」とかそういうレベルではありません。 冒頭4曲の流れが神なんですが、後半の味わい深さは近年ではベストです。 2. Perfume / Game アルバムとしての完成度、言い換えるならば曲順が最高だったので、シングルでCDがすり切れるくらい聞いた曲でも、 アルバムの中で聞きたいと思えました。今年のアルバムでは唯一通しで200回くらい聴きましたが、未だにキラキラしたまま今に至ります。 3. 宇多田ヒカル / Heart Station トラックは音数少なく、抜け良くどんどんサッパリしてきてるのに、メロディと言葉はどんどんクドくなっていくという。 で、そこのバランス感覚が抜群。だから「Flavor Of Life」のバラードバージョンはあんまし良くないんだよな。 宇多田はビートと共にあるのだ!という証明。 4. Lil' Wayne / The Carter III 名実ともにベストラッパーとなりましたね。ベストトラック「AMilli」ですか。 「アミリアミリ」という変調された声と軽いキックとスネアのみで作られたトラックが異常すぎておかしくなりそうです。 甘さと鋭さが同居した「Comfortable」も最高。ハズレ曲無しで曲順も良いので、通して聞きたいヒップホップアルバム。 5. Grapevine / Sing バンドとしてのグルーヴをどんどん磨き上げ、曲も「Core」みたいなグルーヴィな曲が増える一方で、 今まで通り「Wants」みたいな「作曲至上主義」な曲も相変わらず作れてしまう懐の深さはもう敬服するしかないっす。 リアルタイムで聞けるのを誇りにしてます。 6. She & Him / Volume 1 オールディーズポップスでもあってカントリーもあってビートルズでもあるなんて最高以外の言葉が思いつかないですね。 「This Is Not A Test」はドラムの入り方まで「マイ・スウィート・ロード」で泣けました。 7. Capsule / More! More! More! 今までで一番好き。リズムとメロディの対比がPerfumeを通過しただけあってか(?)、ちょっと柔軟になってる気がする。 なんというか普通にバンドっぽい。クリス・スクワイアもかくやというようなリッケンバッカー風のベースがうねる 「The Mutations Of Life」とかシャッフルの「Phantom」とか。 これもPerfumeもアルバムの流れが最高だから、聞く時は是非通しで。 8. You Am I / Dilettantes 「Convicts」が超傑作だっただけに、心配もあったんですが、いや、嘘だ! この人達にもはや駄作は出来ないと改めて確信しました。案外ベタなことをやってるんだけど、だからこそ最強なんだよな。 ギターのフレーズ、ドラムスとベースの絡み、メロディが一々「分かってる」のにはたまりません。 9. Steve Reich / Daniel Variations 語弊ありまくりですが、エモみたいなもんを感じます。とにかく綺麗。 建設的なことは自由なのかもしれないとか言ってみたり。 10. Vampire Weekend / Vampire Weekend 滑り込みランクインです。初期XTCに知性をまぶしたような。室内楽っぽいオーケストレーションをあしらった曲がとても好み。 あとは「Oxford Comma」のハモリ。 |
■2008年にリリースされた作品以外で、よく聴いた音楽 | |
Ryan Adams / The Norva (ライヴブート) http://www.archive.org/details/RyanAdams2006-07-22.matrix.flac16 Ryan Adams / Bank of America Pavilion 08/09/07 (ライヴブート) http://www.archive.org/details/ryanadams2008-09-07.mk41.flac16 Going Underground / Tutti Grapevine / From a smalltown Genesis / The Lamb Lies Down On Broadway 挙げるとキリが無いので、この5枚を。 どれもこれも最高すぎるぜ。 |
■今年のこの1曲
Perfume / love the world
踊り、メロディ、コード進行、リズム、歌詞、ハーモニー、と全てが完璧な超名曲。
よく考えればCapsuleの新作のバンドっぽい感じはここから生まれたのかもしれない。
何百回と聞きました。インスト版も最高です。
■ライブ、イベント等々で良かったもの
1. Sufjan Stevens @ 渋谷 Quattro 1/22
2. Grapevine @ JCBホール 9/28
3. Countdown Japan West @インテックス大阪 12/29
うーんこのくらいなのか。けど、どれも至高の音楽体験でした。
とくにスフィアンは一生ものでした。
■音楽以外でのベスト10
できごと
1. 広島カープが大躍進
今年はこれだけで十分です。ほんとに野球を見るのが楽しくて、毎日が楽しかった。
ルイス、栗原、天谷、赤松、横山、永川、東出、大竹、篠田、斎藤、石原、アレックス、シーボル、シュルツ、小窪、嶋、前田、緒方、高橋、
前田健、梅津、上野、ブラウン...ここに書いてない人も全てのカープの選手にありがとう、です!
来年もよろしくお願いします。
ベストコード進行
耳コピ能力が飛躍的に向上した年だったので、今までしてみたかった曲が色々出来ました。
コード進行というものはそれだけでは意味が無く、メロディ、楽器、リズム等様々なものによって意味が生まれてくるものなので、
そういうのを込みでスゲーと思ったものを挙げています。もちろん若干の間違いはあるかと。
1. Grapevine / Wants
とにかくディミニッシュや7thを使わせたら今の日本で右に出るもんはいないでしょう。
BbM7→C6add9→C#dimでサビに突入するところが狂おしいくらい美しくて屈折してます。
サビのEm7(-5)→A7→Em→A7というラインもたまんないです。
2. Perfume / love the world
AメロをF#m→G→Aでくり返してても、「一番星探す」のCでもやもやしちゃうの。
けど「あきらめないで」でスパッと転調。視界には青空がパーっと浮かびます。中田ヤスタカの「歌もの」は発見が多いです。
3. Grapevine / ジュブナイル
また彼らですが、この曲もAメロはDM9とF#m7のツーコードで持っていき、サビは裏拍と共に移動していくコードとメロディが気持ちよすぎます。
E→Fdim7→F#m7の上昇してるようでしてない感じがカッコいい。
本
100冊読むという目標でしたが、全然及ばず。でも、数なんてのは重要 じゃない!
5月くらいからSFにハマり、ハヤカワと創元ものを漁りまくって ました。なので、そういうのが反映されてます。
1. スカーレット・トマス / Y氏の終わり
この小説内に出てくる「量子宇宙論」を知って、SFへの道へまっしぐらになったのです。
思考は物質という考えが軸となるジャンル横断の破格に面白いド傑作。読み終わった瞬間にベストは決定したようなもんでした。
2. コリン・ウィルソン / 賢者の石
次々に出てくる思考の嵐に追い付くのが必死。けど、その最中の俺はとんでもなくワクワクしてた!
もっと言うならば「若く」なっていた。意識を拡大して「新しいこと」に敏感になれば、歳を取らない。
その果てには人類の進化があるという。ほとんど思考実験のような本ですが、ラヴクラフトのクトゥルー神話のような趣もありで楽しいです。
3. スタニスワフ・レム / ソラリスの陽のもとに
人類と「未知のもの」との遭遇は認識的、倫理的、哲学的、心理的な問題を提起にするに違いない、というのが軸の物語。
で、実際もその通り、ほとんどの「ファーストコンタクト」ものSFへのアンチみたいな小説になってます。大傑作!
4. ポール・アンダースン / 百万年の船
全3巻の大作ですが、3日で読めます。実際、ヒマな夏休み中には3日で読みました。
紀元前300年くらいから、2000年以降の未来まで生きる不老不死ハノンとその仲間達の物語。
いや、物語、と書くのが憚れるな。ほとんど神話と言っていい重厚さ。
不老不死ものならロバート・A・ハインラインの「メトセラの子ら」もいいです。
5. A・E・ヴォクト / 宇宙船ビーグル号
エンターテイメント大賞ですね。ページをめくる手が止まりません。ただこの人の本質は「非Aの世界」の方が強く出ています。
こちらはフィリップ・K・ディック風味の物語。
6. ブライアン・オールディス / 地球の長い午後
良質なRPGをやってるような感覚になります。次々と出てくる魅力的な情景に圧倒されます。
ドラクエとFFの世界観を合わせたような、と書いて思いついたのは、そうかクロノトリガーだ!
7. スタニスワフ・レム / 砂漠の惑星
これもレム流の「ファーストコンタクト」もの。が、しかし、というかまたもやと言うべきか、
これも哲学的な問題を提起する「ファーストコンタクト」ものです。
8. フランツ・カフカ / 城
悪夢のような話。Kの会話が一々相手を舐め腐ってて、最高。カフカの先見性の鋭さ、確かさを知りました。
SFとは「予期」の文学、とハインラインが「メトセラの子ら」の後書きに書いてましたが、
そういう意味ではカフカという作家はSF的であると言えます。
9. J・P・ホーガン / 創世記機械
勝手に宇宙論の体系を作り上げてるのがまず凄い。理系落ちこぼれの身としては、読むのがキツい部分もあったけど、
物語の骨子を抜き取ればなんてことのない、ある意味、ヒーローものSFでした。読後感が清々しい。
10. ロバート・A・ハインライン / 大宇宙の少年
誰でも好きになれるポップソングを作るのが難しいように、誰でも楽しめるジュブナイルを作るのも難しいんだろう。
これはほんとに面白いよ。SFとか抜きにして色んな人に読んでもらいたいワクワクするお話。「スターメイカー」の改題版です。
次点
グレッグ・イーガン / 宇宙消失
イーガン=難解というのを嫌というほど見てきたので、どきどきもんでしたが、なんだ、ハードボイルドSFみたいな感じじゃん。
ワクワクするねー。ラストの描写にエヴァンゲリオンの「人類補完計画」が発動した時のようなものが見えました。
読む前に「シュレーディンガーの猫」のことをちょっと理解しておくと分かりやすいです。
巻末の解説が凄い分かりやすいのでそれでも良し。物理の授業でコレ使えるんじゃない?
けど、実は一番読んだのはフィリップ・K・ディックでした。彼のを上のベストに入れると、それだけになって面白味が無いので
(それでもいいんですが)、単独にベストを作ってみます。でも単独にベストを作るほど読んではいないかも、
いや、いるかも...。まぁとりあえず。
ディックベスト
1. ユービック
2. パーマー・エルドリッチの三つの聖痕
3. 逆まわりの世界
4. 火星のタイムスリップ
5. スキャナー・ダークリー
6. 去年を待ちながら
7. 宇宙の操り人形
8. フロリクス8から来た友人
9. マイノリティ・リポート
10. 高い城の男
あと相変わらずヴォネガットは読みまくりー。
■自己紹介
大学三年生です。もうそろそろやり始めなければいけない就活におびえきってます。
■2008年はどんな年?
去年のをそのまま転用してもらっても構いません(笑)
「音楽を聴いて、野球を見て、友達と遊んで、本を読んで、ちょっと働いて...
ストレスのあまり無いぬるい生活を送ってました。
こんな日々が毎日続けばいいと思います。